Norwegian Wood -It's a story about love and life.- [MOVIE]
『ノルウェイの森』を観てきました。
当時、ちょっと大人な世界にドキドキしながら、「大学生ってこんななんだ」と、近い将来自分も送るであろう大学生活を想像し、切ないストーリーに涙しながら何度も読み返した大好きな小説の映画化。
主人公のワタナベくんは、大好きな俳優さんの1人でもある松山ケンイチで。
しかも、テーマ曲はこの小説の中でも重要なキーワードでもあるThe Beatlesの『Norwegian Wood』オリジナルがそのまま使用される。
観ない訳にはいかないでしょう。
正直、やはり私の思い入れが強すぎたのか、期待しすぎがのか、少し消化不良な部分が。
原作を読んでない人にとっては逆にストーリーが端折られてて「ん?」と思うところがあるかもしれませんが。
133分で全てを盛り込むのはやはり無理があるんでしょうね。
パンフレットはレコードを模した感じでとてもおしゃれ!
一目ぼれしてすぐ買っちゃいました。
▼オフィシャルサイト
http://www.norway-mori.com/index.html
・日本映画というよりフランス映画。
全体的な雰囲気がなんとなくフランス映画っぽいなと思いました。
静かな展開とか、曲の雰囲気とか。
なんかこの曲Radioheadぽいなあと思いながら聴いてたら、音楽はRadioheadのJonny Greenwoodなんですね。
この映画にぴったりだと思いました。
・松山ケンイチは『ワタナベ』くんそのもの。
台詞も文学的で少しリリカルな原作の雰囲気を損ねず、かといって不自然でもなく、私が想像していた『ワタナベ』くんそのものでした。もともと好きな俳優さんだったので、ますます好きに。
・『直子』は菊地凛子ではない。
ワタナベくんがはまっていただけに残念です。
「その台詞、そういう言い方じゃないんだよなあ。」と思うところがチラホラ。
私の中で『直子』はもうちょっと声のトーンが低くて、落ち着いて感情を押し殺してる感じ。
歩き回って話をするシーンも、もうちょっとゆっくり歩いてるイメージ。
菊地凛子は好きな女優さんなだけに、残念です。
・『緑』の瑞々しさがとても良かった。
水原希子さん?自分の想像していた『緑』とはちょっと違ったけど、逆に、水原希子が扮する『緑』を観て、ああ、この人が『緑』なんだと思えるくらい。
多分、まだそんなに有名でない若い女優さんだったから先入観なく観られたせいもあると思うんだけど、「生きる」ということの象徴が『緑』だとすれば、まさにピッタリのキャスティングだったと思う。
・小説の冒頭シーンがない。
37歳になったワタナベくんが、ドイツに着陸した飛行機の機内でオーケストラ演奏の『ノルウェイの森』を耳にし、混乱してしまう、私が一番好きで、印象的な小説の冒頭シーンが描かれてなかった・・・。
当然このシーンは描かれるものだと思っていたので、結構ショックだった・・・。
・「井戸の話」のシーンがない。
これも、この小説のキモだと思っていたシーンなのに描かれてなかった・・・。
菊地凛子も『直子』のオーディションの際、このシーンを演じたらしいのに、なぜ映画で描かれてないのか。
このシーンが直子の闇をもっとも表現しているシーンだと私は思っていたのに。
このシーンがこの小説を切なくさせているスパイスの1つだと思うのに。
残念です。
・レイコさんが『Norwegian Wood』を歌うシーンに違和感。
なんか綺麗過ぎて。
歌も、ちょっと力が入りすぎてる感じがして。
もうちょっと力の抜けた感じで、優しくさらっと歌ってほしかったな。
あと、レイコさんも、私のイメージではもうちょっと年上で、夏木マリみたいにガリガリな人の感じだったんだけど。
Beatlesの曲をレイコさんが弾き語りしながら直子のお葬式をするシーンはカットしてほしくなかった。マッチ棒並べながらね。
・ラストのシーンは電話ボックスで撮ってほしかった。
ラストのやりとりは原作に忠実だと思うんだけど、ワタナベくんは電話ボックスで緑に電話してほしかった。
・ちょい役が豪華
大学教授役に糸井重里、レコード店店長が細野晴臣、阿美寮門番が高橋幸宏って。
ほんとに一瞬しか出てこないんだけど、キャスティングを全然知らなかったので、それぞれの登場シーンで前のめりになってしまった。
突撃隊の柄本明の息子さんもよかった。
もうちょっと登場シーンを多くしてもいいんでは?と思うくらい。
(でもそうするとすっごく長くなる(笑))
とまあ、なんだかんだ言っておりますが、直子が自殺してワタナベくんが海で号泣しているシーンは一緒に号泣したし、多分もう1回観ると思います。
思い入れが強い割には「がっかり度」は低かったのかな。
原作にある、『生きる』ということ、『死ぬ』ということ、『愛する』ということ、『愛される』ということを考えさせられるテーマはちゃんと描かれていると思います。
もう20年くらいこの本を読んでないなあ。
また読み返そう。
そしてもう1回観に行こう。
あ、今ユニクロが『ノルウェイの森』とコラボしてTシャツ出してますね。
http://store.uniqlo.com/jp/store/feature/ut/norwegianwood/
私もこのTシャツ買っちゃいました。
『電話(ダイヤル式)』もこの小説(映画)の重要なキーワードですからね。
フラジャイル~映画「ノルウェイの森」インスパイアード・アルバム
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: SMJ
- 発売日: 2010/12/01
- メディア: CD
トラン アン ユン監督のこと大好きなんですが、この作品はこの人が撮る映画じゃないなーと思って観ないことにしました。
日本の代表的作家の有名作品を外国人に撮らせるってどーなの?っていう思いもあり…。
フランス映画っぽいのかー、フランス在住のべトナム人監督なだけにそうなってしまうんですかね。
昔はそういう作風ではなかったんだけど。
by sunao (2010-12-17 21:19)
自分もたぶん観ないっすね~^^;
何ていうか『ノルウェイの森』を映像で観たいとは思わないんですよね
でもベルセバみたいなパンフはイイですね!ww
by コウスケ (2010-12-18 06:23)
▽sunaoさん
監督さん、よく知らない監督さんだったんだけど、松山ケンイチとThe Beatlesじゃなければ観てなかったかもなー。
Radiohead風(?)のBGMもフランスっぽい雰囲気を醸し出してるのかなーと思ったんだけど。
▽コウスケさん
私は多分もう1回観るし、DVDも買うと思う(笑)
色々不満はあるんだけどね。
パンフ、とても素敵でしょ!
レコードっていうのがツボ過ぎて。
裏は直子で赤っぽい感じなんだよ☆
by rigby (2010-12-18 06:57)
こんにちは。
ご訪問ありがとうございました!
やっぱり原作を読み込んでいると違和感が出てしまうのですね。
私は未読のまま観たので、この世界が分かったのか分からなかったのか微妙だなあと思いながら観終わりました。
雰囲気はとても綺麗で素敵でした。
いつか原作を読んだら、映画にも再チャレンジしたいです☆
by non_0101 (2010-12-18 09:42)
▽non_0101さん
nice!&コメントありがとうございます。
原作の印象的なシーンで端折られてるところはまだ結構あって、私ももう随分読み返してないので忘れてたけど、他の方のレビューとか読んでて、「ああ、ホントこのシーンなかった!」みたいなところがたくさん(笑)
是非原作も読んでみてください!
by rigby (2010-12-18 12:02)
観に行こうか迷っています。
直子は菊池凛子じゃないないよねー。海外でメジャーな女優さんだから選ばれたのかな?
トライ・アン・ユン監督は「ノルウェーの森」を翻訳で読んでいるのだから、そこで既に一枚フィルターがかかっているはずで…
それでもCMでNorwegian Woodが流れてくると、観に行かなくては!ってソワソワしちゃうのよ(笑)
by Nao (2010-12-18 21:21)
お久しぶりです。
原作がある分、映像化されると、不満な点が出てきますよね。。
私は、学生時代に住んでいた寮が、ワタナベ君の住んでいる学生寮のモデルになった場所なので、この作品には思い入れがあります。
迷ってますけど、一度観てみようかと思います。
by hisigata (2010-12-19 10:16)
▽Naoさん
原作の雰囲気は損ねてないと思います。
でもやっぱりこのシーンもあのシーンも、え?そのシーンもないの??的なところは多々。
端折りすぎ感は否めません。
でも原作好きなら、期待せずに楽な気持ちで観てみてほしいな!
感想待ってます(笑)
▽hisigataさん
お久しぶりです。
そう、やっぱり原作からの映像化はどうしても無理があるわけで。
それは仕方ないですよねー。
特に、春樹さんの小説って、読み手の想像に任せる様な余白が結構あるから、その人なりの解釈や、好きなシーンとかあるわけで。
それを全部満たすなんて到底無理。
仕方ないとは思ってます。
でも、雰囲気はとってもいいので観てみて下さい!
感想お待ちしてます♪
by rigby (2010-12-19 12:03)